全国医師ユニオン公式ウェブサイト

代表挨拶

代表あいさつ

2015年4月20日
全国医師ユニオン代表 植山直人

植山-300x225

全国医師ユニオンは、2009年に結成された勤務医の日本で唯一の全国的な労働組合です。また、個人加盟制であるため、経営者や病院長でない勤務医であれば誰でも入会することが可能な団体です。
80年代から始まった医師数抑制政策の下で90年代より勤務医の過重労働は深刻化し、勤務医の過労死裁判が次々と起こるようになりました。その後、医師不足を背景とした医療崩壊が進み、政府・厚労省も2006年になって医師不足を認め医師の養成数の増員や勤務医の負担軽減を掲げるようになりました。しかし、その後も過労死が起きるなど、とても勤務医の過重労働は改善されているとは言えません。勤務労働実態調査2012によれば、「健康に不安」や「病気がち」と答えた医師は半数近い46.6%にも上り、「最近やめたいと思うこと」の問では「いつもあった」と「時々あった」で33.8%、「まれにあった」も含めると61.7%に達します。
90年代の後半までは、医師は労働者ではないと多くの医療機関や勤務医自身が考えていました。さらに、医師の特殊な勤務形態から、「夜間の時間外労働を労働時間とみなさない」など医療機関が誤った判断や取り決めを行っていました。しかし、勤務医の過労死裁判や労働問題の裁判が起きる中で、これまで曖昧であった問題や誤った判断に対して司法による明確な判断が下されています。それにもかかわらず、勤務医に関する労働基準法違反は放置されたままです。先進国では安全性の視点から、一般の労働者よりも厳しい規制が医師の労働時間にかけられていますが、日本では勤務医が最も違法で劣悪な過重労働を押し付けられています。
この秋より医療事故調査制度が始まりますが、長時間労働等の危険性の議論が全く欠落しています。医師だけに交代制勤務がなく、30時間を超える長時間連続労働が常態化していることを厚労省は放置しています。先の調査では、現場の医師からみた医療過誤の4大原因は、「医師の負担増」(57.5%)、「時間の不足」(57.5%)、「スタッフの不足」(55.7%)、「過剰業務による疲労」(55.0%)となっています。また今の日本の法律では、たとえ過重労働下で医療事故を起こしたとしても事故の責任はミスを犯した医師が問われることになります。厚労省は過重労働が医療事故の危険性を高めることを重視して、安全性の観点からも長時間連続労働の解消を進めるべきです。
EUなどでは、勤務医は労働組合を通じて当然の権利を主張しています。時には医師がストライキを起こすこともあります。これまで日本の勤務医は声を上げることがなかったため、勤務医の当然の権利や基本的人権そのものが奪われ、医療自体に大きな歪みを生んでいます。私たちは法律に基づき、正当な権利を主張し、日本の医療を守るために活動するものです。
私たち全国医師ユニオンは結成されてから、医師の労働に関する本の出版やシンポジウムの開催、勤務医の実態調査などを行い、厚労省への要請を毎年行っています。また会員の労働相談と援助や過労死裁判の支援なども行っています。日本では医師が組合活動を行うことはなじみがないためにまだ小さな団体ですが、多くの勤務医が加わることで、日本の医師労働がグローバルスタンダードに基づき正常化されることを期待しています。共に力を合わせて、勤務医が健康でやりがいを持って働ける診療環境を作っていきましょう。

 

下記連絡先までお問い合わせ下さい TEL 03-5825-6138 dr-union@union.or.jp

PAGETOP
Copyright © 全国医師ユニオン  All Rights Reserved.