全国医師ユニオンは、2009年に結成された勤務医の日本で唯一の全国的な労働組合です。 また、個人加盟制であるため、経営者や病院長でない勤務医であれば誰でも入会することが可能な団体です。
日本の医師の労働は異常なものとなっています。勤務医の4割は過労死ラインを超え、1割は過労死ラインの2倍の時間外労働を担わされています。このため多くの医師が精神的・肉体的に健康を害してまともに働けなくなり、最悪の場合には過労死に至っています。しかし、医療現場では労基法は守られずに医師の過重労働は放置されています。無給医の存在は無権利状態で働かされる医師の象徴と言えるでしょう。 勤務労働実態調査2017によれば、「健康に不安」や「病気がち」と答えた医師は40.1%にも上り、「最近やめたいと思うこと」の問では「いつもあった」と「時々あった」で31.4%、「まれにあった」も含めると59.2%に達します。 90年代の後半までは、医師は労働者ではないと多くの医療機関や勤務医自身が考えていました。 さらに、医師の特殊な勤務形態から、「夜間の時間外労働を労働時間とみなさない」など医療機関が誤った判断や取り決めを行っていました。 しかし、勤務医の過労死裁判や労働問題の裁判が起きる中で、これまで曖昧であった問題や誤った判断に対して司法による明確な判断が下されています。
日本外科学会の調査によれば、「医療事故・インシデント(ヒヤリ・ハット)」について、何が原因と考えるかを聞いたところ、「過労・多忙」が81.3%と断然トップとなっています。しかし、医師の働き方改革の検討会では、安全性の視点からの議論はほとんど行われず、政策には全く反映されていません。当面、30時間を超える連続労働は放置され、2024年からの医師の労働時間の上限規制においても28時間の連続労働が許されることになっています。先進国では安全性の視点から、一般の労働者よりも厳しい規制が医師の労働時間にかけられており、日本でも安全確保の点から、トラック運転手の連続労働は休憩や手待ち時間も含めて13時間(例外でも16時間)と労働基準局が定めています。 今の日本の法律では、たとえ業務命令による過重労働下で医療事故を起こしたとしても事故の責任はミスを犯した医師が問われることになります。厚労省は過重労働が医療事故の危険性を高めることを重視して、交代制勤務を導入し長時間連続労働を解消すべきです。
EU諸国などでは、勤務医は労働組合を通じて当然の権利を主張し、時には医師がストライキを起こすこともあります。このため、EUの医師の労働時間の上限は週48時間に抑えられています。しかし、これまで日本の勤務医は声を上げることがなかったため、勤務医の当然の権利や基本的人権そのものが奪われ、医療自体に大きな歪みを生んでいます。 私たちは法律に基づき、正当な権利を主張し、日本の医療を守るために活動するものです。
私たち全国医師ユニオンは結成されてから、医師の労働に関する本の出版やシンポジウムの開催、勤務医の実態調査などを行い、厚労省への要請を毎年行っています。 また会員の労働相談と援助や過労死裁判の支援なども行っています。 日本では医師が労働組合活動を行うことはなじみがないためにまだ小さな団体ですが、多くの勤務医が加わることで、日本の医師労働がグローバルスタンダードに基づき正常化されることを期待しています。 なお、私たち全国医師ユニオンは、会員の思想信条の自由を尊重するために、政治的中立を守り、特定政党の支持や特定候補者の支持を行うことはありません。
あなたも全国医師ユニオンに入会し、共に力を合わせて、勤務医が健康でやりがいを持って働ける診療環境を作っていきましょう。
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